人が主役になる駅前空間 延岡・エンクロス
延岡駅前にある、人が自然と集まる場所
宮崎県延岡市幸町にある、延岡駅前複合施設「エンクロス(encross)」を訪れました。
所在地 宮崎県延岡市幸町3丁目4266番地5
名称 エンクロス(encross)
構造 鉄骨造(S造)
建築家 乾 久美子 さん
エンクロスは、図書館機能やキッズスペース、待合スペース、民間商業施設などが一体となった複合施設です。


建築家・乾久美子さんについて
乾久美子さんは、土地の歴史や、そこにいる人々の振る舞いを丁寧に観察し、建築に落とし込むことで知られる建築家です。
ただ大きな建物をつくるのではなく、街に元々ある心地よい居場所を見つめ、建築を通して人の活動を引き出していく。
そんな考え方が、エンクロスにもよく表れていました。
境界を感じさせない、シームレスな空間

現地を歩いてまず感じたのは、空間の境界がとてもゆるやかであることです。
1階と2階をつなぐ階段まわりには、壁や仕切りが少なく、視線が自然に抜けていきます。
蔦屋書店やスターバックスといった民間商業施設、図書館、キッズスペース、待合スペースが、ひとつの空間の中で無理なく混ざり合っていました。

それぞれの時間が、同じ場所で重なる
エンクロスでは、さまざまな人がそれぞれの時間を過ごしていました。
遊具で遊ぶ子どもたち。
勉強する学生。
新聞を読む社会人。
バスや電車を待つ方々。


目的も年齢も違う人たちが、同じ空間の中で自然に過ごしている。
その様子から、乾さんの「主役は建物ではなく、そこにいる人々」という考え方が伝わってきます。
ただの“ハコ”ではなく、生活に溶け込む建築
エンクロスは、ただきれいな建物というだけではありません。
歩く。
座る。
本を読む。
誰かを待つ。
少し休む。
そんな日常の動きが、自然と心地よく感じられる場所でした。
建築が前に出すぎるのではなく、そこにいる人の時間を少し豊かにしてくれる。
それが、エンクロスの大きな魅力だと感じます。


乾久美子さんの主な作品
乾久美子さんは、エンクロスのほかにも、さまざまな建築を手掛けています。
どちらも、建物単体ではなく、その場所の意味や人の動きに寄り添った建築です。
まとめ
ただ、ハコをつくるのではない。
そこに住む人々の生活に溶け込み、日常を少し豊かにする。
エンクロスは、そんな建築の力を感じられる場所でした。
歩く、座る、待つ。
それだけで少し洗練された気持ちになれる空間です。
延岡を訪れる機会があれば、ぜひ一度、人が主役になるシームレスな空間を体感してみてください。
