【第1部】その土地、本当に使える!?宮崎でありがちな不動産事情とその対処法
本記事は、宮崎で実際によく起きている不動産相続の落とし穴について、全3回で解説するシリーズの第1回目です。
「市街化調整区域って、売れにくいって聞くけど……この土地どうなるの?」
「父が亡くなって実家を相続したけど、畑も一緒についてきた。これって売れるの?」
最近、こうしたご相談が宮崎市内でとても増えています。
実は、宮崎市の不動産相続には“宮崎ならでは”の落とし穴があるのです。
宮崎市は「家を建てにくいエリア」がとても多い
宮崎市の面積は約643㎢。県内でもかなり広い市です。
ですがその一方で、自由に家を建てられるエリアは意外と限られています。
市内の約7割が「市街化調整区域」に指定されており、相続した土地がこのエリアに含まれているケースは、決して珍しくありません。
市街化調整区域ってなに?
ひと言でいうと、「これ以上、家や街を増やさないためのゾーン」です。
原則として
- 新しく家を建てられない
- 建て替えにも厳しい条件がある
- 誰でも自由に売れるわけではない
といった制限があります。
「土地がある=自由に使える」と思っていると、ここでつまずきます。
宮崎は“農地”も多い。しかも相続で出てきやすい
宮崎といえば農業。
市内には田んぼや畑があちこちに広がっています。
相続で問題になりやすいのが、登記上の地目が「田」「畑」になっている土地です。
ご本人は農業をしていなくても、「先祖代々の土地だから」という理由で、相続財産の中に農地が含まれているケースは本当に多いのです。
実際にあったご相談

「家だけだと思っていたら、畑も相続していました」
宮崎市内にお住まいの60代女性・Aさん。
会社員として働きながら、父親の相続手続きを進めていました。
「相続したのは実家だけ」と思っていたAさんでしたが、調べてみると、約500㎡の畑も相続財産に含まれていることが判明。
農業の経験はなく、
- 売れるのか
- 貸せるのか
-
そもそも何をすればいいのか
分からず、不安だけが増えていったそうです。
「住めない」「売れない」不動産が生まれやすい理由
市街化調整区域の土地や農地には、こんな特徴があります。
市街化調整区域の場合
- 行政の許可がないと新築できない
- 建て替えにも制限がある
- 条例で認められた人しか買えず、売却が難しい
農地の場合
- 原則、農業をする人にしか売れない
- 売買・賃貸には農業委員会の許可が必要
その結果、「相続したけど使えない」「持っているだけで税金がかかる」
いわゆる “負動産” になってしまうケースが後を絶ちません。
なお、宮崎市では令和7年4月から市街化調整区域内の空き家売買について一部規制緩和が始まりました。
ただしこれは「売買」に限った話で、賃貸として活用するには、まだまだハードルが高いのが現状です。
なぜ、今のうちに考えておく必要があるのか
宮崎市の人口は約40万人。
今後は少子高齢化と人口減少が進むと見込まれています。
これからは「この土地、誰が引き取る?」「売れない土地を押し付け合う」そんな相続が、もっと増えていく可能性があります。
「まだ元気だから」ではなく、元気な今だからこそ、家族で話し合い、専門家に相談すること。
それが、将来のトラブルや負担を減らす一番の近道です。
専門家としての意見

宮崎市の不動産相続は、全国共通のルールだけで考えてしまうと、思わぬところでつまずくことがあります。
「家を相続したから自由に使えるはず」
「土地は売れば現金になるもの」
そう思っていたのに、市街化調整区域だった・農地だったという理由で、何もできずに困ってしまう。
宮崎には
・建物を建てられないエリアが広い
・農地が相続財産に含まれやすい
こうした事情があり、相続が起きてから初めて知る方がほとんどです。
また、不動産は持っているだけで税金や管理の負担がかかる財産でもあります。
元気なうちから家族で話し合い、専門家と一緒に整理しておくことが大切です。
私たちは、不動産の実務と行政手続きの両方を踏まえた立場から
「この土地は使えるのか」
「残すべきか、それとも手放すべきか」
といった点まで含めて、現実的なご提案を行っています。
「もしかして、うちも当てはまるかもしれない」
そう感じた方は、問題が大きくなる前に、一度立ち止まって確認してみてください。
次回予告(第2部)
【第2部】では、市街化調整区域や農地が、なぜ「負動産」になりやすいのか。
そして、実際に起きたトラブル事例をもとに、“知らなかった”では済まされない現実をお伝えします。




